写真:内藤さん 
横浜市から飯島町に移住された内藤武彦さん・成美さんご夫妻にお伺いしました
移住のきっかけ
もともと田舎暮らしがしたいという思いが2人ともあったんですね。
直接のきっかけは父親が他界した事でしょうか。後押ししてくれたような・・・。
父親はゴルフが好きで、定年後はゴルフでもしながら悠々自適な生活を思い描いていました。でも、定年後落ち着いて「さあこれから」というときに体調を崩してしまったんです。
真面目一本だった親父、一生懸命勤め上げて、これから母と楽しもうというときに亡くなってしまい、第2の人生が送れなかった、そんな親父の姿が一番大きいかもしれません。
定年までを第1の人生、定年後を第2の人生とよく言われますが、私は定年後の人生はセカンドステージ(第2の人生)ではなくサードステージ(第3の人生)でも良いのではと思ったんですね。
二十代前半で会社に入り、20年後の40代で中間点、60代で定年というスパンであったとするなら40歳からセカンドステージ60歳からサードステージという考え方もアリかなと。
それに、都会の喧騒から開放されたかったという事もありましたね。
風景、生き物など
奥様の趣味である写真
移住を決めてから引越しまでの期間
温泉が好きで、いろんな所に出かけました。温泉って肌にあうあわないがあります。あわない温泉だと疲れがとれるどころか、余計に疲れてしまったり、また、肌がかゆくなったりと。移住の事も思い浮かべながら温泉に行っていた部分もありますね。そんな期間もあるので、明確な年数は難しいですが、2年くらいでしょうか。

実は最初に希望した移住先は安曇野だったんです。
関東方面からすると安曇野って憧れのリゾート地であるし、私が思っていた田舎暮らしのイメージ「山・田園風景・空気がきれい」とも重なった部分もありさらに近くには穂高温泉、ここの温泉は私の肌にもあったし。
地元の不動産屋にも通い、土地・中古の家、新築の物件など何度も見に行きましたね。そんな中で気に入った中古住宅があって契約寸前までいったんですが、Iターンで安曇野に不動産屋さんを開いた方にお話を聞く機会があって「家は100%気に入ったものがないにしても何かしらの物件は必ず見つかるから、先ずは家より仕事だよね」という話を聞いたんです。 確かに・・。生活していかなければなりませんからね。

結局その物件はひとまず保留となったんです。

ある日たまたま私の友人が、飯田市の知り合いとお酒を飲む機会があって、そこに私も呼んでもらったんです。会話も弾み、田舎暮らしの話題なんかも出てきました。当時、飯田市がどこにあるかも知らなかった時です。長野県といえば、長野・松本・諏訪・安曇野・・・ 観光地で知っているくらいでした。
その飯田市の方とのご縁がきっかけで飯田市に観光で遊びに行ってみる事になったんです。飯田市には昼神温泉・砂払温泉もありましたしね。
そこから話が繋がっていき、「仕事を探しているならうちに来てみるか」と声をかけてくださったのが今の会社の社長なんです。そして南信州への移住が決まったんです。その間1年半くらいでしょうか。
大きなウッドデッキ
構想中のガーデニングスペース
この地を選んだ理由
先程も話しましたが、仕事が決まってさらに私たちが考える「田舎暮らし」のイメージに合った土地だったからですね。あとは、空気・水がおいしい!! これは言えますね。
移住って結局どこでも同じで、大切なのは「自分次第」という事はわかっていたのでどこというこだわりはそれ程強くなかったのかもしれません。
移住して変わったこと
アロマが好きでよくお香をたいていたのですが、こちらに来てからはほとんどアロマをたかなくなりました。朝の空気の香り、草刈をしている草の香り 自然の香りがあるので必要ないですね、というか大自然のいい香りがあるのにアロマやお香をたいていてはもったいないという感覚です。
それから中央アルプスと南アルプスが見えて、四季の風景がきれいなので「美しい!きれい!」が口癖になりました。おかげでいつもカメラを持ち歩くようになりました。(奥様)

時間感覚がのんびりになった事でしょうか。もとはせっかちな性分だったんです。
母親と弟が遊びに来た時に、車は渋滞するからということで帰りの便をバスから電車に変更したんですよね。
その時、乗り換え時間3分の急行と40分の急行、どちらを選ぶか、ということになったんです。
たまにしか来れないところだから「次の電車までゆっくりして駅の周りでお土産物でも見たら」と勧めたら、母に「あなた、のんびりになったわね」と言われ、その言葉で自分がのんびりになったんだと実感しました。
電車の本数ももちろん都会に比べれば少ないですが、不便と思うかどうかですね。時間に追われていない生活、人に追われていない生活、つまり人間的な生活が出来るようになったことではないでしょうか。(御主人)
広々設計の和室
愛用のガーデニング道具
移住して思うこと
食事がおいしいです。お水がおいしいからでしょうか。お米、お味噌汁、野菜や果物がおいしいですね。

水、空気がおいしい事を再確認。前の場所でも鉢植えの植物などを育てていたんですが、朝水やりの時はお花の香りがしましたがその後は排気ガスのにおい・・・。ここでは朝玄関を開けると高原のようないい香りがします。「空気がおいしい」とはまさにこのことですね。

太陽に近いからでしょうか、日差しが強いですね。最初来た時は皆さん色黒の方が多いなと思っていましたが今や私も仲間入りです。考えれば自然な事ですよね、横浜辺りでは標高0メートル付近、ここは700メートルくらいあるわけですから。

様々な色に囲まれて暮らしている感じがします。
以前いた場所はアスファルトに囲まれ窓を開けても直ぐ近くにはお隣さんの壁といった感じで「灰色」が多かったように思いますが、ここでは四季折々の自然の変化によって「緑・赤・茶・青」など、様々な色に囲まれていて、目にも心にも優しい感じです。

空気が澄んでいて街灯がほとんど無いせいか、星が良く見えます。都会では見えなかった星座も星雲も確認出来て感激しました。

冬は雪かきも数回しなくてはなりませんが、今のところ苦ではありません。雪景色もきれいですよ。

ラッキー と Pちゃん
庭に植えられる予定の木々
移住を考えられている方へのメッセージ
いきなり移住するのではなく1年くらい住んでみることが大事ですね。1年とは四季を体感してみるという意味で1年です。夏は快適だったのに、冬になって「こんなはずじゃなかったのに」ということになりかねないので、あせらずゆっくりと先ずは借家から。

「土いじり」が苦手な方はやめたほうが良いですね。ガーデニング云々ではなく、家の周りには普通に土の部分があるので自ずと草が生えてきますので土地の手入れをしなければなりません、そこには昆虫もいますので「虫」が苦手な人も考えたほうが良いかもしれませんね。

世代にもよるかも知れませんが、移住となったら先ずは仕事です、生活していかなければなりませんからね。基盤あっての夢だと思います。

田舎は近所付き合いがあります。近所付き合いというと面倒なイメージがあったりしますが移住されたらぜひ行なってほしいです。他の地から飛び込んでくるので知らない事だらけ、その地ならではのルールが必ずあります。お友達も増えますし、結構楽しいですよ!!
私達は親戚も友人もいない未知の土地に移住しましたが、地元のコミュニティに参加することによって、地域に徐々に馴染んでいく感じです。

田舎は車生活が基本です。仕事に行くにも、買い物に行くにも、遊びに行くにも移動手段は車が前提。運転免許は必須です!!
お宅探訪
収納スペースもバッチリ
空気の流れを考慮された玄関ホール
意外と落ち着きます
外へのアクセスがスムーズな土間
プロフィール
移住年数 2年 (2011/8月現在) IターンorUターン Iターン
出身(御主人) 神奈川県 出身(奥様) 千葉県
移住元 神奈川県横浜市 移住先 長野県上伊那郡飯島町
趣味(御主人) 土いじり、ノルディックウォーク、音楽鑑賞、読書
趣味(奥様) 写真(風景、自然)、パン・ジャムつくり、歌
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