2012年1月 1日

田舎暮らしの新時代の到来を予感する

2012年 平成24年が明けた。
昨年を振り返れば、東日本大震災、ヨーロッパの経済危機など
国内外を問わず世界が激動した一年であった。

新年を迎え、だれもが安心して楽しく暮らせる日々を
希求されていることだろう。

しかし、現実は・・・・である。

世界経済のボーダレス化による国内産業、就労環境の激変

人口の少子高齢化の着実な進展

世代間格差の拡大(若い人への負担のしわ寄せ)

国の財政逼迫による医療・介護サービスや税金等の負担増

世界全体の経済混迷

環境問題の深刻化

世界人口の増大と環境破壊がもたらす食料不足

など

どれも引き続き善後策を模索しながらの展開となろう。

今を生きる人類が現実として受け入れていくしかない道なのである。

こうした時代
こんな時代だからこそ
年明けにあたって多くの人が

何のために生きているのか (人生の目的)

これからどう生きていくのか (暮らしの将来像)

何をしていけばよいのか (生きがい)

といった自問をされていることと思う。

そうした中から

「絆」 「家族」 「相互扶助」 
といった思いが呼び起こせられたのであろう。

これは、日本人としての精神の再生の現われともとれよう。


こうした流れの中で
田舎暮らしというものを改めて問い直してみると
そこには将来に向けた新たな可能性が私には感じられる。

思い返せば、昭和時代の高度経済成長期に
田舎から都会への人口と産業の大移動が展開され過疎化が進行した。

そして1990年前後、バブルとその崩壊により田舎暮らしのブームが訪れた。

2005年頃からは団塊世代の定年退職期の到来による
国を挙げての田舎暮らし促進の動きがみられた。

だが、これからの時代の田舎暮らしは、
今までの田舎暮らしの捉え方とは違う方向進むのではないか。

というより、今までとは違う、新たな田舎暮らしというものを
創造していくべき時が来ているのだと予感している。

今年一年、こうした視点から新たな田舎暮らしの形を紹介していきたい。

2010年12月20日

田舎暮らし適性の判断指標

 

シリーズで掲載してきた田舎暮らしの適性に関する調査結果

いかがでしたか。

 

何となく、自分は田舎に向いているんじゃないか

どうも田舎暮らしがしっくりこない

などなど

 

人によって感想は色々かと思うのです。

 

この直感は大事にしたいですね。

歳をとってからの第六感はさえわたりますから

 

しかし、そうは言っても自分の勘だけでは心配でしょうから

田舎暮らし適性を判断するための目安となる指標を

提示しながら、最後のまとめに入っていこうと思います。

 

ここで示す内容は、私が先の調査結果を基に実証分析した

成果をまとめたものです。

今後みなさんが進路を自己決定していく際に

参考としていただき

田舎暮らしの実現に役立っていければ幸いです。

 

適性判断指標① 「田舎暮らし適性」

【田舎暮らしを始める前の状況】

指標 1:若い頃から長年にわたり田舎暮らしを希望し続けていた

指標 2:田舎での暮らし方が具体的にイメージできていた

指標 3:自ら主体的・積極的に行動して田舎暮らしの準備をしてきた

 

【田舎暮らしを始める前の考え】

指標 4:「郷に入れば郷に従う」の気持ちでいる

指標 5:「相互扶助」、「お互い様」の精神は大切にしたい

指標 6:地域の慣習、しきたりは尊重したい

 

【田舎暮らしを始める前の自身や家庭の状況】

指標7:家族が田舎暮らしに対する理解がある、協力的である

指標8:公的な補助金や優遇支援を当てにする必要はない

指標9:他人や成り行きに任せずに自分自身で物事を考え解決してきた

指標10:多くの条件が揃わなくても田舎暮らしを決断できる

 

【自身の性格や資質】

指標11:心身ともに健康で、日頃から健康保持に留意している

指標12:体力には自信がある

指標13:不便さを楽しむ心の余裕がある

指標14:生活環境の変化に対する順応性がある

指標15:問題発生時には前向きに考え対処、行動できる

指標16:学歴、職歴等に依存しない自立した生き方、暮らし方ができる

 

以上、全16指標について、あなた自身が該当していると

思われる項目数が多いほど、田舎暮らしへの適合度は高い

といえるでしょう。

 

 

適性判断指標② 「移住適性」 

※移住(どっぷり田舎暮らし)向きか二地域居住向きかを判定

【田舎暮らしを始める前の状況】

指標 1:一人暮らしの経験がある

 

【田舎暮らしを始める前の考え】

指標 2:地域への溶け込みに努力したい

指標 3:移住する以上そこで骨を埋めるくらいの覚悟でいる

 

【田舎暮らしを始める前の自身や家庭の状況】

指標4:多くの条件が揃わなくても田舎暮らしを決断できる

指標5:自ら積極的に動き、行動していた

 

【自身の性格や資質】

指標6:保守的である

指標7:都会の喧騒より自然とのふれあいの方が安らぐ

 

以上、全7指標について、あなた自身が該当していると

思われる項目数が多いほど、移住型の田舎暮らしに対する

適合度が高いといえるでしょう。

 

 

適性判断指標③ 「二地域居住適性」 

※移住(どっぷり田舎暮らし)向きか二地域居住向きかを判定

 

【田舎暮らしを始める前の考え】

指標1:都会での近所づきあいや仲間との交流も捨てがたい

 

【田舎暮らしを始める前の自身や家庭の状況】

指標2:持ち家に住んでいる

指標3:介護する(することになりそうな)老親がいる

指標4:老後の生活資金に不安はない

指標5:家族の総意として田舎暮らし開始前の生活にも満足している

指標6:田舎の医療、福祉サービスの環境は気にしていない

指標7:安定志向である

 

【自身の性格や資質】

指標8:文化活動、カルチャースクール等が好きだ

 

以上、全8指標について、あなた自身が該当していると

思われる項目数が多いほど、二地域居住型の田舎暮らしの方が

向いているといえるでしょう。

 

 

さあ、いかがでしたか。

 

田舎暮らしを始める前の生活歴や準備行動、

田舎暮らしに臨む心持ち、

個人の生活価値観、性格、資質、経済力、家庭事情などが

田舎暮らしの適性を判断するのに有効な道しるべ(判断尺度)

であることをご理解いただけたでしょうか。

 

自分にあてはめてみた場合、

田舎暮らし、うまくやっていけそうと思ったなら

どんどん行動を起こしていけばといいと思います。

 

逆に不向きだなとか、条件的に難しいかなと思うなら

中途半端にいつまでも憧れていないで

観光による田舎の楽しみ方に切り替えたり

都会での暮らしの再発見に方向転換したら

良いのではないでしょうか。

 

 

いずれにしても、現在田舎暮らしを模索中のみなさん

今回のシリーズ記事を有効に活用していただき

ご自身のより良い人生の実現に向け

一歩でも前進していかれることを期待します。

 

2010年12月13日

再転居に至った背景、理由

 

都会から移住した田舎暮らし実践経験者で、

その後再び都会へ戻られた方々に

再転居に至った背景や理由をアンケート回答してもらいました。

 

 

・地方都市の穏やかな状況を想定していたが、

わずらわしい風評や押し付けがましさに辟易した。

・中途半端な地域の世話役が介入してきて、うんざりした。

・とにかく不便で、農作物を作っていなければ、

生活費が思いのほかかかった。

・雪国であったため、冬の生活はものすごく厳しかった。

・田舎暮らしには馴染めなかった。

・両親と妻との折り合いが悪くなった。

・病院などが近くになくて不便であったため、元の場所に戻った。

・農作業の機械の騒音や農薬の臭いで窓も開けられないことがあった。

・地元の人が、最後まで「よそから来た人」という呼称を外さず、

なじみきれなかった。

・商売もうまくいかないので都会へもどる決断をした。

・子育ての環境としてはよかったが、老後を暮らすには問題が多い。

とくに買い物と通院。自動車の運転ができないものにとっては

とても不便だった。

・仕事が無かったから。

・交通の便、医療機関の充実、地方都市での生活では

得られないものである。

 

 

ありそうな話だなという思いと

移住後の田舎での苦労が察しられる内容ですね。

 

2010年12月 6日

再転居者の特性

 

都会から田舎へ移住後、再び都会に転居した「再転居者」

すなわち田舎暮らしに馴染めなかった方とは

どのようなタイプの人なのか。

 

私自身とても関心があったのでアンケート回答してもらいました。

回答していただいたのは、

普段田舎暮らしを支援している地方自治体や

NPO活動を展開している担当者の方々です。

 

 

再転居者に共通してみられる特徴として、

以下の人的特性が挙げられました。

 

・地域への溶け込みが出来ない人

・協調性の足りない人

・田舎暮らしの憧れやイメージだけが強く、

地域で暮らすという視点が欠如し、

地域の実情をきちんと理解していない人

・人との付き合いが苦手な人

・人里離れた山の中の生活を希望する人

・他人からの干渉をきらう人

・自然を楽しめない人

・妻が夫に説得されて移住した家族

・老親や同居者の介護が必要になった人

・安易な考えで行動する人

・内向的な人

・楽観的な人

・他人に頼りがちな人

・適応力のない人

・生活に困ってとにかく地方にいけばなんとかなると考えて行動した人

・第一次産業(特に農業)の大変さなどを甘く考えていた人

・自分のことしか考えていない人

・雇用場所を確保する前に転入してきた人

・十分な資金計画性の無い人

・地域住民とコミュニケーションが取れない人

 

あなた自身、思い当たる点はいくつ位ありましたか?

2010年11月29日

田舎暮らしへ向けた留意点 ~その2~

 

第二弾は、田舎暮らしを支援している地方自治体や

NPO活動を展開している担当者の方々からの

アンケート回答をもとに

田舎暮らしを成功に導くための秘訣・留意点を

整理してみました。

 

【向老期の田舎暮らし検討者への助言、移住前の留意点】

資金面の確保及び事前検討段階における候補地域の生活に

関する詳細調査と相性の見極めを重要視する傾向がみられました。

 

・移住後の生活資金(ライフマネー)について事前に検討しておく。

・検討段階で訪問滞在型農園(クラインガルテン)、生活体験施設等を

利用して何度も当地を訪れ、地域の情報収集や自分と当地域の相性を

見極めることが大切だ。

・体験居住や農家民宿等への訪問滞在をとおして、

田舎の現実を知ったり、相談役・仲介役になってもらえる人を探し、

巡り合うとよい。

・移住の目的をしっかり持ち、実際に足を運んで、

移住先の実情を把握・理解したうえで、

自己判断・責任で移住するのが望ましい。

・健康でなければ田舎暮らしは困難である。

・田舎暮らしは、自分でやらなければならない作業も多いので、

向老期の方は体力が衰えないうちに始めるのが賢明だ。

特に就農する場合は体力勝負である。

・はじめから不動産(土地・建物)取得せず、

まずは借家で暮らし始めるのがよい

・不動産を選びに終始することなく、地域で暮らすという視点を持って

地域をきちんと理解することが重要である。

・公営住宅は入居条件があり、空き家(売家)や中古借家も僅少なため、

地域によって住居確保に苦労する。

・田舎で高齢者向けの仕事は少ないので、移住後も収入が必要な人は

収入源の確保対策を十分に検討しておく必要がある。

・都会の物質的な豊かさを選ぶのか、田舎の精神的な豊かさを選ぶのか、

究極はこの二者択一ではないか。

・不便さの中に豊かさを感じられるようでなければ

田舎暮らしは成立しない。

 

 

2010年11月22日

田舎暮らしへ向けた留意点 ~その1~

 

第一弾は、田舎暮らしに精通した専門家の著書より

田舎暮らしを成功に導くための秘訣・留意点を

整理してみました。

 

 

【田舎暮らしの移行に向けた留意点】

・資金を含めて移住の条件が整わない都会人は田舎へ行くな。

・地元の人でさえ食えない農業を甘く見るな。

・田舎へ行ったら「郷に入れば郷に従え」の原則は守れ。

・移住した以上はそこで骨を埋めるくらいの覚悟を持て。

・田舎暮らしの夢は当初描いたようには絶対ならない。

必ずどこかで裏切られる。

・裏切られて新しい世界を発見し、

それを楽しみにするくらいの心の余裕がほしい。

・田舎へ飛び込むにはそれなりの準備や心構えは必要だが、

考えすぎるのもよくない。

・自分の都合だけを優先させても失敗しやすい。

・定年後に田舎へ移住するライフスタイルは一番無理がない反面、

一番失敗もしやすい。

・田舎で暮らす人にとって一番大切なのは、日常の挨拶である。

・二地域居住は不経済になりやすいライフスタイルであるため、

二地域居住なら都会と田舎のいいとこ取りができるという発想

は無理がある。

・シニア世代にとって、田舎暮らしは夫婦のあり方を見直す

試金石である。

パートナーとの合意には時間をかける。

・シニア世代の田舎暮らしは、体力が衰えないうちに始めるのが賢明だ。

・自然を相手に生きていくには、

失敗してもくよくよしない心構えが必要だ。

・自分から求めなければ、人と人のふれあいが生まれないのは、

都会も田舎も同じ。

・田舎暮らしを実践するには確固たる目的があってしかるべきだ。

・老いていく一方の後半生を田舎で過ごすには、

自立の精神と孤独感に打ち勝つ心構えが必要だ。

・田舎暮らしで求められることは、自分のことは自分の力でやる

という心組みと体力である。

・高齢期に移住する人は、老後のことも考えておいたほうがよい。

・全体としての和を乱さないように強調し、

常に円満な解決を心がけることが肝要である。

・定年期の人は蓄積してきた人脈やスキルを活かして

田舎で何かに挑戦し始めることは有効である。

・農地さえあればすぐに収穫できる、という

農業に対する認識は誤解である。

・都会でリストラにあっても田舎に行けば何とかなるという考えは甘い。

・田舎で自給自足すればお金がなくても暮らせる

というのは幼稚な発想である。

 

2010年11月15日

田舎暮らし希望者への助言 【実践者編】

 

各種情報媒体に掲載されている実践者の体験談から、

50歳~60歳代の田舎暮らし実践者からみた

後輩たちへのアドバイスを調査しました。(出典同)

 

 

概要:これから田舎暮らしを始められる人への助言

田舎暮らしに大切な要点は、

体力、

地域との交わり、

移住の目標と具体的な生活イメージの確立

前向き思考

 

 

具体的なコメントを以下に示します。

 

【これから田舎暮らしへ移行する人への助言】

・地域の活動や行事等に積極的に参加することも

大切なことである。

・自分の生活プラン(ライフサイクル、

何を楽しんでいきたいか等)を考えておくとよい。

・夫婦二人で別荘に通うのもやがて飽きる場合がある。

自分たちにとって本当に必要かどうか

田舎暮らしの目標をしっかり考えた方がいい。

・マイナス思考だと田舎暮らしはできません。

・先延ばしはだめである。できるときにやらないと、

できなくなってしまうから。

夢はあきなめないという気持ちが大事である。

・いざ住むと決めたら、「いかに楽しむか」を考え、

工夫することが大切である。

・「心の田舎人」が田舎に向いている。

・商売や勤めが一段落したら、街場のこせこせした所に

いて家で悶々としているよりも、

田舎で自分の好き勝手にのびのびと過ごす方がいい。

・体が丈夫なことも大事である。

・近所との会話も必要だ。

・ありのままの自分を出せれば田舎社会は

受け入れてくれます。

・住むと決めたなら、自分で開拓して、

人と関わっていかないとだめである。

・移住に際しては、気楽に構えて臨んだ方が

いいのではないか。

肩の力を抜いて、こだわりを持ちすぎないようにする。

・田舎暮らしは体力のあるうちに、思いたったら早めに計画し、

行動すると新しい生活もたくさん楽しめる。

・自分が何をしたいのか、何を楽しみたいかをよく考え、

目的をもって移住する。

・地域の人たちとのふれあいを大切にする。

・田舎へ移住したら何をしたいか、ただ漠然とではなく、

できるだけ具体的に考えておいた方がいい。

・田舎暮らしをはじめたら、地域のことは

地域の人から学ぶことである。

・あまり心配をし、考えすぎてもよくない。

行けば何とかなるものである。

・病院への送迎や買い物には、車がかかせない。

・ある程度「こうしたい」という希望があれば、

自ら動いているうちになんとかなる。

・地域に土足で上がりこむのではなく、結いに参加するなど、

自分たちの方から溶け込む努力が必要である。

・田舎暮らしを実現するのであれば、気になった場所を

実際に訪れてみることが大事である。

 

2010年11月 8日

田舎暮らし実践後の実感・変化

 

先駆者に学べという発想のもと、

各種情報媒体に掲載されている実践者の体験談から、

50歳~60歳代の田舎暮らし実践者の実践後の感想や

暮らし・価値観の変化を調査しました。

 

概要を整理すると、

 

   満足した田舎暮らしを継続している人の共通した特徴

検討過程で主体的に行動した

長年にわたり田舎暮らしに憧れ続けてきた

地元住民との交流や近所づきあいに努めた

 

   実践後の感想

当初考えていた暮らしとは違う展開になった

自然と親しみ自分のリズムで生活することにより

心身ともに健康になった人が多い

 

 

具体的なコメントを以下に示します。

 

【田舎暮らし実践後の実感、変化】

・気持ちにゆとりが出て、身体が健康になってきた。

・当初予定の生活像とは違う生活展開になった。

・田舎は意外と健康で文化的な生活ができる場所である。

・空き家の別荘が立ち並ぶのをみると有効利用の

ネットワークを形成できないかなと思う。

・田舎暮らしの楽しさは、お金を使わない楽しさである。

・冬の寒さも覚悟して来ているから

きついと思ったことはない。

・田舎暮らしを始めると、自然に土と親しみたくなる。

四季の中で行う作業はメリハリがあり、

同じ忙しさでも都会の仕事とは違い、

疲れにも爽快感がある。

・農的生活は自分で選択して主体的に

リズムをつくれるからいい(夫)、

田舎では都会とは別の脳を使っている気がする(妻)。

・野菜づくりは子育てのように楽しい。

・自然から癒しとエネルギーをもらい、

心穏やかに暮らせる日々に感謝している。

・朝、田園風景を眺め散歩すると昔の人間に

戻ったような感覚になる。

人間本来のリズムに戻った感じがする。

・最初は暇をもてあまし、慣れるまでに1年かかった。

・もっと不便だろうと考えていたが、

買い物など生活に関しては不自由していない。

・移住先での人間関係がどうなるかが唯一の心配だったが、

杞憂だった。

地元の人の指導で菜園の土から作物の芽が出た

のを見つけた時は感動した。

・妻はよく働くようになった。

・田舎にいては粗末な医療しか受けられない

というのは誤解だと実感した。

・夫は畑仕事で体重が5kg減量し、

健康診断では数値が良好になった。

ご飯もおいしく、熟睡できるようになった。

・地区の作業に参加していく中でだんだんと

「地域の人間」になっていくのだと実感している。

・田舎暮らしは、体力、気力、そして脳力です。

自然の中で心と体を鍛えられる田舎は、

健康維持のためには都会よりも良い環境だ。

・スローライフが忙しいのが誤算だった。

・体を使って楽しみながら光熱費や食費を

抑えることができる。

・田舎での生活は独りでは成り立たない。

誰かの手助け、犠牲があって私たちの豊かさが

あることを改めて気づかせてくれた。

・景観は何百年もかけて創られたもの。

時間の流れの中におかれている自覚を持ち、

その土地の地霊に敬意を払うことは大切だ。

・地震などの自然災害に備え、都会のほかに

もう一つ拠点を持っておくと安心だ。

 

 

出典:

岩手県「イーハトーヴぐらし―岩手移住指南―」20095月、P10-P11

山形県「すまいる山形」20093月、P5-P8

鹿児島県霧島市「IJU Magazine20083月、P6-P13

富山県「暮らしたい国、富山」20088月、P7-P10

㈱宝島社「田舎暮らしの本」200910月、P8-P3120107月、P8-P23、他

㈱ふるさとネット「ふるさとネットワーク」20071月~200912月、各月号 

 

2010年11月 1日

田舎暮らしの実状

何を始めるにも、まずは事実確認が大切ということで

田舎暮らしに関する実状をみていきましょう。

 

アンケート回答の概要は次の通りでした。

 

・田舎暮らし希望者は、都市生活者の4割程度と多い

 

・その大半は、憧れ層(実現に向けた具体的行動なし)

 具体的に検討し行動を起こしているのは数%に過ぎない

 

・実現にあたっては種々の制約があるために

実行を思いとどまっている人が多数を占める

 

・実際に田舎暮らしを実践し始める中心層は

向老期(60歳前後)世代が中心

定年退職後でないと諸条件がそろわない?

 

過去に都会から田舎へ移住後、再び都会に転居した

 「再転居者」の割合は、移住者全体の1~2割程度

 

・田舎暮らし支援者の8割以上が田舎暮らし適性

(向き・不向き)の存在を認識

 

 

田舎暮らしを希望していても、現実にその生活を

楽しめている人って意外と限られているんですね。

 

 

次に、田舎暮らしに精通した専門家のコメントによれば、

 

・生活費に不安がない人、

地域の行事に積極的に参加する人、

新しい事業を興して地域に活力を与えてくれる人

なら温かく迎えてくれる可能性が高い。

・地域に溶け込もうと努力する人には、

まわりの住民が何とか手を貸してくれる。

・田舎の地域社会は人間関係が濃く、

良くも悪しくも平等社会である。

・自然の中で静かに過ごすのも結構だが、

それだけでは飽きる。

・失敗しやすいのは、都会生活や現役スタイルからの

シフトチェンジができないため。

・田舎は車社会。通勤、通院、買い物、資材運び、

何をするにも自動車無しでは不便きわまりない。

・田舎は「お互い様」「自治」「相互扶助」という意識が強い。

・「自然が美しい」というのは「生活環境が厳しい」と同義である。

 

何と含蓄のある言葉でしょうか。

田舎暮らしをライフワークとしている私も思わず納得です。

 

 

このように整理してみると、

田舎で満足した暮らしができている人

(根っからの田舎人、例えば私)は十分幸せなのだと思います。

 

データ出所:

1.「全国の地方自治体及び田舎暮らし支援NPOへのアンケート調査」20107

2.「全国の5060歳代を対象としたライフスタイルアンケート調査」20107

3.田舎暮らしに精通した専門家が執筆した出版物

山本一典「失敗しない田舎暮らし入門」20044月、洋泉社

山本一典「お金がなくても田舎暮らしを成功させる100カ条」200910月、洋泉社

佐藤彰啓「田舎暮らし虎の巻」20033月、文化出版局

丸山健二「田舎暮らしに殺されない法」20085月、朝日新聞出版

玉村豊男「田舎暮らしができる人、できない人」20074月、集英社

 

2010年10月25日

田舎暮らしの形 (ライフスタイル)

 

今日における「田舎暮らし」の形(=ライフスタイル)は

多様化しています。

 

概略、以下のように整理できるでしょう。

 

    移住 (田舎に居宅を構え日常的に生活する=どっぷり田舎派)

   ⅰ.田舎社会に積極的に溶け込んでいく  

   ⅱ.田舎社会とは距離をおく独居

 

    二地域居住 (都会と田舎を反復的に往来する)

【居宅所有別区分】

 A.都会にのみ居宅があり田舎へ往来する

 B.都会と田舎の両方に居宅があり往来する

【居宅形態別区分】

 a.自宅確保(新築、中古購入、賃貸など)

b.リゾート(会員権利用)

【往来形態別区分】

 イ.定期的 (ホリデーワーキング、援農など)

ロ.季節的 (リゾート保養など)

 

この「移住」と「二地域居住」では、当然のことながら

田舎での生活様式は大きく異なります。

 

よって、「田舎暮らし適性」なるものも

どのライフスタイルを選択するかで

当然違いがあると思われます。

 

また、年齢、世帯構成、年収、資産、健康状態といった

デモグラフィック特性(人口動態的特性)や

生活価値観、欲求、性格といった

サイコグラフィック特性(心理学的特性)は

人によって多様であり、

かつ時間の経過によっても変化していきます。

 

こうしてみると、都会に住む田舎暮らし志向者が

田舎を舞台とした自分なりのよりよい暮らし方

(移住、二地域居住等)を選択、実現するには

検討段階において田舎暮らし適性を自己診断することが

とても有用と考えられます。

 

これから掲載してシリーズでは、

こうした田舎暮らし適性というものを見極めるのに

参考となる道しるべ(判断尺度)を明示していきます。