2010年12月アーカイブ
2010年12月20日
田舎暮らし適性の判断指標
シリーズで掲載してきた田舎暮らしの適性に関する調査結果
いかがでしたか。
何となく、自分は田舎に向いているんじゃないか
どうも田舎暮らしがしっくりこない
などなど
人によって感想は色々かと思うのです。
この直感は大事にしたいですね。
歳をとってからの第六感はさえわたりますから
しかし、そうは言っても自分の勘だけでは心配でしょうから
田舎暮らし適性を判断するための目安となる指標を
提示しながら、最後のまとめに入っていこうと思います。
ここで示す内容は、私が先の調査結果を基に実証分析した
成果をまとめたものです。
今後みなさんが進路を自己決定していく際に
参考としていただき
田舎暮らしの実現に役立っていければ幸いです。
適性判断指標① 「田舎暮らし適性」
【田舎暮らしを始める前の状況】
指標 1:若い頃から長年にわたり田舎暮らしを希望し続けていた
指標 2:田舎での暮らし方が具体的にイメージできていた
指標 3:自ら主体的・積極的に行動して田舎暮らしの準備をしてきた
【田舎暮らしを始める前の考え】
指標 4:「郷に入れば郷に従う」の気持ちでいる
指標 5:「相互扶助」、「お互い様」の精神は大切にしたい
指標 6:地域の慣習、しきたりは尊重したい
【田舎暮らしを始める前の自身や家庭の状況】
指標7:家族が田舎暮らしに対する理解がある、協力的である
指標8:公的な補助金や優遇支援を当てにする必要はない
指標9:他人や成り行きに任せずに自分自身で物事を考え解決してきた
指標10:多くの条件が揃わなくても田舎暮らしを決断できる
【自身の性格や資質】
指標11:心身ともに健康で、日頃から健康保持に留意している
指標12:体力には自信がある
指標13:不便さを楽しむ心の余裕がある
指標14:生活環境の変化に対する順応性がある
指標15:問題発生時には前向きに考え対処、行動できる
指標16:学歴、職歴等に依存しない自立した生き方、暮らし方ができる
以上、全16指標について、あなた自身が該当していると
思われる項目数が多いほど、田舎暮らしへの適合度は高い
といえるでしょう。
適性判断指標② 「移住適性」
※移住(どっぷり田舎暮らし)向きか二地域居住向きかを判定
【田舎暮らしを始める前の状況】
指標 1:一人暮らしの経験がある
【田舎暮らしを始める前の考え】
指標 2:地域への溶け込みに努力したい
指標 3:移住する以上そこで骨を埋めるくらいの覚悟でいる
【田舎暮らしを始める前の自身や家庭の状況】
指標4:多くの条件が揃わなくても田舎暮らしを決断できる
指標5:自ら積極的に動き、行動していた
【自身の性格や資質】
指標6:保守的である
指標7:都会の喧騒より自然とのふれあいの方が安らぐ
以上、全7指標について、あなた自身が該当していると
思われる項目数が多いほど、移住型の田舎暮らしに対する
適合度が高いといえるでしょう。
適性判断指標③ 「二地域居住適性」
※移住(どっぷり田舎暮らし)向きか二地域居住向きかを判定
【田舎暮らしを始める前の考え】
指標1:都会での近所づきあいや仲間との交流も捨てがたい
【田舎暮らしを始める前の自身や家庭の状況】
指標2:持ち家に住んでいる
指標3:介護する(することになりそうな)老親がいる
指標4:老後の生活資金に不安はない
指標5:家族の総意として田舎暮らし開始前の生活にも満足している
指標6:田舎の医療、福祉サービスの環境は気にしていない
指標7:安定志向である
【自身の性格や資質】
指標8:文化活動、カルチャースクール等が好きだ
以上、全8指標について、あなた自身が該当していると
思われる項目数が多いほど、二地域居住型の田舎暮らしの方が
向いているといえるでしょう。
さあ、いかがでしたか。
田舎暮らしを始める前の生活歴や準備行動、
田舎暮らしに臨む心持ち、
個人の生活価値観、性格、資質、経済力、家庭事情などが
田舎暮らしの適性を判断するのに有効な道しるべ(判断尺度)
であることをご理解いただけたでしょうか。
自分にあてはめてみた場合、
田舎暮らし、うまくやっていけそうと思ったなら
どんどん行動を起こしていけばといいと思います。
逆に不向きだなとか、条件的に難しいかなと思うなら
中途半端にいつまでも憧れていないで
観光による田舎の楽しみ方に切り替えたり
都会での暮らしの再発見に方向転換したら
良いのではないでしょうか。
いずれにしても、現在田舎暮らしを模索中のみなさん
今回のシリーズ記事を有効に活用していただき
ご自身のより良い人生の実現に向け
一歩でも前進していかれることを期待します。
2010年12月13日
再転居に至った背景、理由
都会から移住した田舎暮らし実践経験者で、
その後再び都会へ戻られた方々に
再転居に至った背景や理由をアンケート回答してもらいました。
・地方都市の穏やかな状況を想定していたが、
わずらわしい風評や押し付けがましさに辟易した。
・中途半端な地域の世話役が介入してきて、うんざりした。
・とにかく不便で、農作物を作っていなければ、
生活費が思いのほかかかった。
・雪国であったため、冬の生活はものすごく厳しかった。
・田舎暮らしには馴染めなかった。
・両親と妻との折り合いが悪くなった。
・病院などが近くになくて不便であったため、元の場所に戻った。
・農作業の機械の騒音や農薬の臭いで窓も開けられないことがあった。
・地元の人が、最後まで「よそから来た人」という呼称を外さず、
なじみきれなかった。
・商売もうまくいかないので都会へもどる決断をした。
・子育ての環境としてはよかったが、老後を暮らすには問題が多い。
とくに買い物と通院。自動車の運転ができないものにとっては
とても不便だった。
・仕事が無かったから。
・交通の便、医療機関の充実、地方都市での生活では
得られないものである。
ありそうな話だなという思いと
移住後の田舎での苦労が察しられる内容ですね。
2010年12月 6日
再転居者の特性
都会から田舎へ移住後、再び都会に転居した「再転居者」
すなわち田舎暮らしに馴染めなかった方とは
どのようなタイプの人なのか。
私自身とても関心があったのでアンケート回答してもらいました。
回答していただいたのは、
普段田舎暮らしを支援している地方自治体や
NPO活動を展開している担当者の方々です。
再転居者に共通してみられる特徴として、
以下の人的特性が挙げられました。
・地域への溶け込みが出来ない人
・協調性の足りない人
・田舎暮らしの憧れやイメージだけが強く、
地域で暮らすという視点が欠如し、
地域の実情をきちんと理解していない人
・人との付き合いが苦手な人
・人里離れた山の中の生活を希望する人
・他人からの干渉をきらう人
・自然を楽しめない人
・妻が夫に説得されて移住した家族
・老親や同居者の介護が必要になった人
・安易な考えで行動する人
・内向的な人
・楽観的な人
・他人に頼りがちな人
・適応力のない人
・生活に困ってとにかく地方にいけばなんとかなると考えて行動した人
・第一次産業(特に農業)の大変さなどを甘く考えていた人
・自分のことしか考えていない人
・雇用場所を確保する前に転入してきた人
・十分な資金計画性の無い人
・地域住民とコミュニケーションが取れない人
あなた自身、思い当たる点はいくつ位ありましたか?